1mm.

わたしのこころの 真空パック

雪が溶けてゆく切なさのような

永遠という幻想に縋りたくなる日が 時たまふと訪れる 夏の夕方の一日が終わるさみしさと さくらの散る頃のさみしさは似ている 人生の中で春ほど別れの多い季節もない。 散りゆく花弁を見ながら 私はあと何度この切なさを感じることが出来るのかと考えて、そ…

小説

「ほら、目を閉じて。 すぐに眠れるはずだから」 よく聞いた言葉だ。 幼い頃から今日が終わってしまうのが嫌で駄々をこねるように泣く僕の隣に彼の言葉があった。 その言葉を聞くと、案外明日はすぐに訪れるし、きっと今日より素敵な日になると思えた。 だか…

アイネクライネ03

あの日からもう少し生きて、前の記事に物足りなさを感じたので、今回はさらに追記する。 以前の記事と変わるところも、そうでないところも。 一応注意しておくが、これは個人的な考察であり、私の捉え方なので、他の考え方や感じ方を否定するものでは無い。 …

甘口のカレー

あなたの好きな物を目で追うようになった。 これは、一番質素で飾らない本質的な愛の標のようにも感じる。 それが、相手からもきちんと感じられるということがどれだけ幸せなことか。 実家では、私と妹は甘口のカレー。 父と母と祖母は中辛か、辛口が普通だ…

21歳までの私と決別を

22回目の生まれた日、 命を捨てさろうとして首を吊った しかし何故だろう。 あの日から私の中に生まれる負の感情が 死にたい色に変わることが無くなった 本当に何故だろうね いとしいひとのわたしへのきもち は壊れ去ってしまったかもしれないけど あの日私…

形のないもの

形を成さないものの輪郭は、形は、どんなものなのだろう。 あの日の言葉の色は、真冬の朝日の形は、いつかの後悔の温度は、君の心の姿は。 握った手を握り返してくれなくなる日を思って少し下に引かれる心は今、どんな顔をして私を見ているのだろう。 甘える…

小説:小さな嘘

小さな嘘をついた。 そうしないとあなたと居られなかったから。 強がりなのか嘘なのか、 差のないくらいの小さな嘘をついた。 痛くないよ。苦しくないよ。 あなたと居るのに苦しいことなんてひとつもないよ。 そうやって笑って見せた。 そうしないとあなたは…

白けてゆく記憶

ずっと昔な気がする。 貴女はまだ笑っていて、そして君は私に種をまいた。 笑った貴女を最後に見たのはいつだったっけ。 初めて貴女の口から注ぎ込まれた9%の桃の味は今でも口に入れると心做しか早く酔う。 あの三人の記憶は、三人で邂逅したいのに。 貴女が…

無題

女は月に一度鎧を脱がなくてはいけないのだ 昨日の夢で私が囁いた そうだなぁ、今の私は剥き出しだね 嫌いな私だよね "儚くて消えてしまいそうな私"でいるための "美しかった記憶全てで塗り固めた鎧" これを着ている時だけは涙も憎悪もなくなるのに。 お酒を…

懺悔と独白と私への薬

ピアスの穴と同じだ 初めはきちんと世話をしていても怠惰で潰してしまう だいたい私なんてそれくらいのものでしかない ただ、息をするよりも無意識に 途方もなく長い間眺め続けたものもあった 見上げていると思っていた眩いものは 自身を見失いかけた時に私…

春の夜の夢

反芻する。 吐き出した煙を吸い込むように 過去の痛みを反芻する。 それと同じくらい あなたから貰った心を反芻する。 言葉は完璧じゃないし 私は未完成だ。 だからこそあなたの伝えてくれる言葉たちが大切で大切で仕方が無いのだ。 心と言葉が全く同じ色を…

関係の賞味期限

泣き疲れて眠ったことも、無くなった関係の亡骸を抱えて痛んだ胸も、全てが鮮明に残っている。 人生で一番長く大切にした人は消えてしまったのかもしれない。 もしかしたらあの子の元へ行ったのかもしれない。 私がどんなに懸命に貴方の素敵なところを叫んだ…

花の名前

"恋人には好きな花の名前を教えなさい" そう言われる理由は、一年に一回、花が開花する度に自分を思い出させるためだとか。 花の香りのせいもあるのかな。 香りと記憶がリンクすることをプルースト現象って言うんだってさ。 あの子が好きだった花、という思…

元彼の概念

元彼が好きだ。 私は、元彼のことが嫌いになれない。 "元彼"という概念が好きだ。 愛おしくて仕方ない。 私の一部で、私の人生で、私の価値観の大半で、恋愛観の全てで、痛みの経験の中でも純度が高くて、美しい記憶で、成長のきっかけで、ただの"昔付き合っ…

19歳の私へ

20歳までに死のうと思っていた 16歳も17歳も沢山さよならしてきた 18歳にもさよならした 私は19歳に何を残せたのだろうか 去年は人生で1番大切な人ができて その人とさようならをした それから、大学に受かった 今年は何ができたんだろうか 18祭でRADを目の…

生活の音

音。 お水が沸騰する音。 玉ねぎを炒める音。 その匂い。 春になりかけの温度と あなたの後ろ姿 美しい景色で見とれる。 本でも読めば?ってフライパンから目を離さずに言うあなたの声と、私の生返事と 生活音 すごく好きなの。 人がいる雰囲気、 人がいる空…

成人とは

長い季節の真っ只中でやっとこさ振袖に身を包んで、私は大人になったふりをした。 背伸びは直ぐにバレてしまうけど 大人のふりでもしてないとやってけない もう私には子供に居場所はない。 大人にもまだ居場所はない。 頭は溶けてなくなりそうで まだまだ青…

とりとめのない

ただ隣にあるだけでよかったのです。 なのに私が壊したのです。 あなたを信じるちょっとの勇気と こんな私自身を許して愛する覚悟が 私には足りなかったのです。 だからわたしは 今更、独りぼっちなのでしょう。 だからわたしは あなたが笑いかける花にはな…

夏のせい。

きっとそうだ。 あの子がドアノブで逝ってしまった日のことが 今だにわたしの瞼に焼き付いているのも 初めての痛みとか愛しさとか 舌先で感じた夏の味だとかそんなのも 真っ青な空と暑さと蝉の声と 真夏特有のアスファルトが焦げる匂いと そんなざらっとした…

最近の話

山ほど書くことがある けど、なにを書けばいいかな なんて感じ わたしは美大に入ってから とっても美しいものを毎日目にして生きて居て いつでも幸せだ バンドを組んだ メンバーはとても可愛くて いろんなことを考えて居て わたしのこんなめんどくさい中身を…

君たちは誉

一年前の今頃は 愛したくて、愛されたくて 何か物足りない気持ちでいっぱいだったのをよく覚えている。 私の中身は空っぽで 誰にも愛されていなくて 誰のことも愛していなくて 大事だった人たちの置いていったもので 心が窮屈だったように思う 今の私も、も…

ながいおはなし。

これからするお話しは、とてもとても長くなると思う。 きっと読んでる人なんていないだろうし、 気にしているわけでもないのだけれど もし誰かがこっそり覗いてくれているなら どうか読み流していただけたら幸い。 母のこと。心の中の蟠りのこと。 私が生ま…

18歳。

卒業したと思ったら、もう誕生日が過ぎてしまった。 18歳の私はたくさんの痛みと愛と大切を知ったし、物事の叶え方を体感としてわかった一年だった。 大学に合格して、高校を卒業して、 カメラでお金をいただくことが少しずつできるようになり、私の世界は広…

月が綺麗ですね

ここを始めてからもう、1年と1ヶ月ほどが経っていた 早いのか、遅いのか。 当時大事だったあの人や、そのあとこの人生のこの時点において一番大切になる人なんかとも疎遠になってしまったりして めまぐるしい 好きも嫌いもわからないくらい、めまぐるしい 時…

私を葬る時の話。

昔このブログはカスミソウという名前だった。 わたしのことをよく知る人や わたしを見ている人たちが よくプレゼントにカスミソウのドライフラワーをくれる。 貴女にはカスミソウが一番似合う そんなことを言ってくれる 私は死んだら 漆黒のフレアワンピース…

親愛なる誰かへ

私の一番大切な曲は、二人だけの曲になった。 誰にも踏み込まれないものになった。 アイネクライネの男の子は君にそっくりで 女の子の方は私であればいいと思っていた。 viviの二番の歌詞、初めてとても共感したよ。 君の中で永遠になれたらどんなにいいだろ…

明けましたが、

2018年になってしまった。 私はなんにもしてないのに 時だけは進んでいって 痛みはどんどん薄れていって 今ではあの子が居たのかすらもわからなくなった いつかのあの恋はあっけなく君に殺されたし 初めてのあの日だって亡くなった愛に縋りついてただただ虚…

あの日と私

あの日の私はきっと 私であり私でない。そう思ったのは たまたま小学生の頃の同級生と会ったから。 私は見事に生まれ変わりに成功したらしい。 それも自力で。 訳の分からないことをまた言い出したなって 聞き流してくれていいよ。 でも、あの日の私は今の私…

通学中

バスの中で いつも決まったプレイリストを聴きながら ぼーっと揺られている 今日は遅刻だ さいきんはちゃんと行けてたのになぁ 隣のクラスのあの子のおかげかな。 雰囲気が好きでいつも見惚れてる 会いたくて、学校に行けるんだから それはとてもいい事なん…

アイネクライネ No.2

まだまだ、どうしても語り足りなくて またもやこんな記事をつらつらと書き始めてしまった 読めば読むほど聴けば聴くほど やっとわかった時の感動が大きい 脳天をぶん殴られたような、 嫉妬するほどに美しい。 彼の才能はこの曲を聴けば痛いほどわかるね。 一…