小さな嘘をついた。
そうしないとあなたと居られなかったから。
強がりなのか嘘なのか、
差のないくらいの小さな嘘をついた。
痛くないよ。苦しくないよ。
あなたと居るのに苦しいことなんてひとつもないよ。
そうやって笑って見せた。
そうしないとあなたは不安で潰れて消えてしまうから。
あなたは弱いし、
わたしはあなたのためなら強く有れるから。
そうすると決まってあなたは不思議そうにわたしを見つめて、
「どうしてそんなに君は強いの?
どうして僕を慈しんでくれるの?」
と問う。
理由なんてないよ。
あなたを愛して、
あなたを許せる強い私が好きなだけ。
理由なんてないよ。
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より、「小さな嘘をついた」から始まり「理由なんてないよ」で終わる280時程度の小説